HYROX(ハイロックス)とは?種目・ルール・初心者向けトレーニングを徹底解説

トレーニング

「HYROX(ハイロックス)って最近よく聞くけれど、どんな競技なの?」「筋トレをしている人向け?それともランナー向け?」と気になっている方も多いのではないでしょうか。

HYROXは、ランニングとファンクショナルトレーニングを組み合わせたフィットネスレースです。1kmのランニングと1つのワークアウトを交互に行い、これを8回繰り返します。つまり、合計8kmを走りながら8種類のワークアウトに挑戦することになります。

マラソンのような持久力だけでも、ウエイトトレーニングのような筋力だけでもなく、「走る・押す・引く・運ぶ・跳ぶ・投げる」といった総合的なフィットネス能力が試されるのがHYROXの大きな特徴です。

この記事では、HYROXとはどのような競技なのか、基本ルールや8種目の内容、カテゴリー、初心者向けのトレーニング方法、シューズの選び方、日本での大会参加まで詳しく解説します。

  1. HYROX(ハイロックス)とは?世界で広がるフィットネスレース
    1. HYROXはランニングとファンクショナルトレーニングを組み合わせた競技
    2. HYROXが世界で人気を集めている理由
    3. クロスフィットや一般的な障害物レースとの違い
  2. HYROXの競技内容|8kmのランニングと8種目に挑戦
    1. 基本ルールは「1kmラン+ワークアウト」を8回繰り返す
    2. HYROXの8種目と競技順を一覧で紹介
    3. 種目ごとの重量・距離はカテゴリーによって異なる
  3. HYROXの8種目を初心者向けに徹底解説
    1. 1.SkiErg(スキーエルゴ)
    2. 2.Sled Push(スレッドプッシュ)
    3. 3.Sled Pull(スレッドプル)
    4. 4.Burpee Broad Jump(バーピーブロードジャンプ)
    5. 5.Rowing(ローイング)
    6. 6.Farmers Carry(ファーマーズキャリー)
    7. 7.Sandbag Lunges(サンドバッグランジ)
    8. 8.Wall Balls(ウォールボール)
  4. HYROXにはどんなカテゴリーがある?初心者の参加方法
    1. 個人で挑戦するHYROX OPEN
    2. より高い負荷に挑戦するHYROX PRO
    3. 2人で競技を分担するHYROX DOUBLES
    4. 4人で参加できるHYROX RELAY
    5. 初心者がHYROXに初挑戦するならどのカテゴリー?
  5. HYROXは初心者でも参加できる?必要な体力と難易度
    1. 筋トレ経験だけではなく持久力も重要
    2. ランニングが苦手な人が注意したいポイント
    3. 初心者は「重いものを持った後に走る」感覚に慣れよう
    4. 完走を目指すために必要な基礎体力とは
  6. HYROXに向けたトレーニング方法
    1. まずは8kmを走るためのランニング能力を高める
    2. スクワット・ランジで下半身を強化する
    3. デッドリフトやキャリー系種目で全身を鍛える
    4. 心肺機能を高めるインターバルトレーニング
    5. ランニングと筋トレを組み合わせたHYROX対策
  7. 普通のスポーツジムでもHYROXのトレーニングはできる?
    1. 一般的なジムで練習できるHYROX種目
    2. スレッドなど専用設備がない場合の代替トレーニング
    3. トレッドミルと筋トレを組み合わせた実践メニュー
  8. HYROX初心者向け1週間トレーニングメニュー
    1. ランニング・筋力・休養をバランスよく組み合わせる
    2. 大会直前にトレーニング量を増やしすぎない
    3. 記録を残してランニングと筋力の弱点を把握する
  9. HYROXに適したシューズやウェアの選び方
    1. ランニング性能と安定性のバランスが重要
    2. スレッドプッシュ・プルで滑りにくいシューズを選ぶ
    3. 大量に汗をかくことを想定したウェア選び
  10. 日本でもHYROXに参加できる?大会・参加方法を確認
    1. 日本で開催されるHYROX大会について
    2. 大会へのエントリー方法と参加までの流れ
    3. 参加前に公式サイトで最新ルールを確認しよう
  11. HYROX初心者が大会前に知っておきたいポイント
    1. 最初からタイムを狙いすぎずペース配分を意識する
    2. ランニングだけ・筋トレだけに偏らない
    3. 本番と同じ競技順でシミュレーションしてみる
  12. まとめ|HYROXは走力と筋力の両方を試せるフィットネスレース

HYROX(ハイロックス)とは?世界で広がるフィットネスレース

HYROXはランニングとファンクショナルトレーニングを組み合わせた競技

HYROX(ハイロックス)は、ランニングとファンクショナルトレーニングを組み合わせたフィットネスレースです。

競技は「1kmランニング→ワークアウト」という流れを8回繰り返す形式。すべて完了すると、ランニングの総距離は8kmになります。

  • 1km ランニング
  • SkiErg(スキーエルゴ)
  • 1km ランニング
  • Sled Push(スレッドプッシュ)
  • 1km ランニング
  • Sled Pull(スレッドプル)
  • 1km ランニング
  • Burpee Broad Jump(バーピーブロードジャンプ)
  • 1km ランニング
  • Rowing(ローイング)
  • 1km ランニング
  • Farmers Carry(ファーマーズキャリー)
  • 1km ランニング
  • Sandbag Lunges(サンドバッグランジ)
  • 1km ランニング
  • Wall Balls(ウォールボール)

このように、単純に8kmを走るわけではありません。ランニングの間に筋力や筋持久力を必要とするワークアウトが入るため、後半になるほど疲労した状態で走る能力が問われます。

普段から筋トレをしている人にとっても、ランニングが得意な人にとっても、これまでとは違った能力が求められる競技といえるでしょう。

HYROXが世界で人気を集めている理由

HYROXの特徴のひとつが、世界各地の大会で基本となる競技フォーマットが統一されていることです。

開催地が変わっても「1kmラン+ワークアウト×8」という基本構成は同じ。そのため、自分の記録を過去の自分や他の参加者と比較しやすくなっています。

また、参加者にはタイミングチップが装着され、公式の完走タイムが計測されます。HYROXではグローバルランキングも用意されているため、「まずは完走する」「自己ベストを更新する」「ランキングを上げる」といった、それぞれのレベルに応じた目標を設定できます。

さらに、マラソンのように長距離ランニングだけに特化する必要はなく、普段スポーツジムで行っているスクワットやランジ、ローイングなどのトレーニング経験を活かせる点も魅力です。

「スポーツジムで鍛えてきた体力を試してみたい」という人にとって、明確な目標となりやすい競技なのです。

クロスフィットや一般的な障害物レースとの違い

HYROXを初めて知った人の中には、「クロスフィットと何が違うの?」と感じる方もいるでしょう。

HYROXでは、競技で行うワークアウトとその順番があらかじめ決められています。そのため、本番で何をするのか分かった状態でトレーニングできるのが特徴です。

また、泥、水、壁などの自然・人工障害物を突破していく一般的な障害物レースとも性格が異なります。HYROXは大型の屋内会場で行われ、ランニングコースとワークアウトステーションを行き来しながらフィニッシュを目指します。

競技内容が明確なので、「今の自分にはランニング能力が足りない」「スレッド系が弱い」「ウォールボールで失速する」といった課題も把握しやすく、トレーニング計画を立てやすい競技です。

HYROXの競技内容|8kmのランニングと8種目に挑戦

基本ルールは「1kmラン+ワークアウト」を8回繰り返す

HYROXの基本となるレースフォーマットは非常にシンプルです。

1km走る→1つのワークアウトを行う。

これを8セット繰り返します。

ランニング:1km × 8回=合計8km
ワークアウト:8ステーション

ポイントは、8kmを先に走ってから筋トレをするわけではないことです。

たとえばスレッドプッシュで脚に強い負荷がかかった直後にも、再び1kmを走らなければなりません。さらに、その後にはスレッドプルが待っています。

つまりHYROXでは、フレッシュな状態でどれだけ速く走れるかだけではなく、ワークアウトによる疲労を抱えた状態で、どれだけ走力を維持できるかが重要になります。

HYROXの8種目と競技順を一覧で紹介

順番ランニングワークアウト
11kmSkiErg
21kmSled Push
31kmSled Pull
41kmBurpee Broad Jump
51kmRowing
61kmFarmers Carry
71kmSandbag Lunges
81kmWall Balls

前半ではスレッドを押す・引くといった下半身への負荷が大きい種目が続き、中盤にはバーピーやローイング、後半にはファーマーズキャリー、ランジ、ウォールボールが待っています。

最後まで一定のパフォーマンスを維持するには、筋力だけでなく心肺機能や筋持久力、そしてペース配分が重要です。

種目ごとの重量・距離はカテゴリーによって異なる

HYROXでは基本となる8種目の順番は共通していますが、参加カテゴリーや男女区分などによって使用する重量などが異なります。

たとえばOpenとProでは、Proのほうがスレッドやファーマーズキャリー、サンドバッグ、ウォールボールなどで高い負荷が設定されています。

そのため、「HYROXに出るなら、とにかく重い重量を扱えるようにしなければならない」と考える必要はありません。自分が出場するカテゴリーの最新ルールを確認し、その条件に合わせてトレーニングすることが大切です。

重量や競技規定は変更される可能性があるため、大会へ参加する際はHYROX Japan公式サイトおよび最新のルールブックを必ず確認してください。

HYROX:すべての人のためのフィットネス競技
2023年には世界中で40以上のレースが開催され、90,000人を超えるアスリートと50,000人の観客が参加。ようこそ、ワールドシリーズ・オブ・フィットネスレーシングへ。

HYROXの8種目を初心者向けに徹底解説

1.SkiErg(スキーエルゴ)

最初のワークアウトはSkiErg(スキーエルゴ)です。

クロスカントリースキーのポーリング動作を再現するようなマシンで、上半身だけで引くのではなく、体幹や股関節を使って全身を連動させることがポイントです。

スタート直後で体力があるからといって飛ばしすぎると、その後のランニングやスレッド種目に影響します。初心者はパワーだけでなく、一定のリズムを維持することを意識しましょう。

2.Sled Push(スレッドプッシュ)

重りを載せたスレッド(そり)を押して進む種目です。

脚力はもちろん、体幹を安定させながら地面へ力を伝える能力が必要です。重量だけを見ると上半身の力が重要に思えますが、実際には下半身を使って継続的に押し進める力が求められます。

スレッドプッシュ後は再び1kmを走るため、脚を使い切ってしまわないことも重要です。

3.Sled Pull(スレッドプル)

Sled Pullは、ロープを使ってスレッドを引き寄せる種目です。

腕だけで引こうとすると早い段階で疲労しやすいため、背中や体幹、下半身を含めた全身を効率よく使うことがポイントになります。

Sled PushとSled Pullが序盤に連続して登場するため、ここで脚や腕を消耗しすぎないペース配分も重要です。

4.Burpee Broad Jump(バーピーブロードジャンプ)

バーピーと前方へのジャンプを組み合わせながら規定距離を進んでいく種目です。

立つ、伏せる、跳ぶという動作を繰り返すため、心拍数が上がりやすく、脚にも大きな負担がかかります。

大きく跳ぼうとしすぎるより、一定のリズムで動作を継続できるフォームを身につけることが初心者には重要です。

5.Rowing(ローイング)

ローイングマシンを使って規定距離を漕ぐ種目です。

腕だけでハンドルを引くのではなく、脚で押す動作から体幹、上半身へと力を伝えることで効率よく進めます。

スポーツジムにローイングマシンが設置されている場合は、比較的本番に近い練習をしやすい種目のひとつです。

6.Farmers Carry(ファーマーズキャリー)

左右の手にケトルベルを持ち、規定距離を歩く種目です。

握力だけではなく、重いものを持った状態で姿勢を維持する体幹の強さが必要です。

デッドリフトやケトルベルを使ったトレーニングに慣れている人でも、長い距離を持ち続けると前腕や握力が消耗します。普段の筋トレに「重いものを持って歩く」という要素を加えることがHYROX対策につながります。

7.Sandbag Lunges(サンドバッグランジ)

サンドバッグを担いだ状態でランジを繰り返しながら進みます。

終盤に行うため、すでに7km近いランニングと複数のワークアウトをこなした脚に、さらに負荷が加わります。

スクワットやランジを普段から行っている人でも、疲労した状態ではフォームが崩れやすくなります。トレーニングでは回数だけでなく、膝や股関節の動きを安定させることも意識しましょう。

8.Wall Balls(ウォールボール)

最後に待っているのがWall Balls(ウォールボール)です。

スクワット動作から立ち上がりながらボールを投げ、規定のターゲットへ当てる動作を繰り返します。

ここまでに8kmのランニングと7つのワークアウトを行っているため、脚・肩・心肺機能のすべてが疲労した状態です。

「あと少しだから」と序盤から飛ばすより、フォームを維持しながら確実に動作を積み重ねることが重要になります。

HYROXにはどんなカテゴリーがある?初心者の参加方法

HYROXは、トップレベルのアスリートだけを対象にした競技ではありません。

競技経験や挑戦スタイルに応じて複数のカテゴリーが用意されているため、一人で挑戦するだけでなく、パートナーやチームで参加することもできます。

個人で挑戦するHYROX OPEN

HYROX OPENは、個人でHYROXの全行程に挑戦する標準的なカテゴリーです。

1kmランニング×8回と8つのワークアウトを自分一人でこなします。

初めて個人種目へ挑戦する場合に検討しやすいカテゴリーですが、「初心者向け=簡単」という意味ではありません。8kmのランニングとすべてのワークアウトを完遂できるよう、十分な準備が必要です。

より高い負荷に挑戦するHYROX PRO

HYROX PROは、経験を積んだレーサーなど、より高い負荷に挑戦したい人向けのカテゴリーです。

基本となる「1kmラン+ワークアウト×8」の流れは共通ですが、Openより重い重量が設定される種目があります。

初参加でいきなり高重量へ挑むのではなく、自分の筋力・持久力・ランニング能力を考慮してカテゴリーを選ぶことが大切です。

2人で競技を分担するHYROX DOUBLES

HYROX DOUBLESは2人1組で参加するカテゴリーです。

公式ルールでは2人が一緒にランニングを行い、ワークアウトの負荷をパートナーと分担します。

「一人で全ワークアウトをこなすのは不安」「友人やトレーニング仲間とHYROXに挑戦したい」という人にとって魅力的な選択肢です。

さらに、より高い重量設定に挑戦するDoubles Proも用意されています。

4人で参加できるHYROX RELAY

HYROX RELAYでは、4人でチームを組んでレースに挑戦します。

HYROX Japan公式では、各メンバーが1kmランニングと2つのワークアウトを2回ずつ担当する形式として案内されています。

個人競技とは違い、チームで役割を担いながらフィニッシュを目指せるため、仲間と一緒にHYROXを体験したい人にも選択肢となります。

初心者がHYROXに初挑戦するならどのカテゴリー?

初めてHYROXに参加する場合、「初心者だから必ずこのカテゴリー」という決まりはありません。

一人で完走すること自体を目標にしたいならOpen、パートナーと挑戦したいならDoubles、複数の仲間とHYROXを体験したいならRelayというように、現在の体力と参加目的から選ぶとよいでしょう。

特に重要なのは、普段の筋トレで扱っている重量だけで判断しないことです。

HYROXではワークアウトの合間に合計8kmを走ります。そのため、ベンチプレスやスクワットで高重量を扱える人であっても、ランニング能力が不足していればレース後半で大きく失速する可能性があります。

反対に、ランニングが得意でも、スレッドやキャリー、ランジなどへの対応力が不足していればワークアウトで苦戦します。

HYROXに初挑戦するなら、まず「自分は走力と筋力のどちらが弱いのか」を把握するところから準備を始めてみましょう。

HYROXは初心者でも参加できる?必要な体力と難易度

HYROXの競技内容を見ると、「8kmも走ったうえに筋トレのような種目を8つもやるなんて、初心者には無理なのでは?」と感じるかもしれません。

しかし、HYROXはトップアスリートだけのための競技ではありません。OpenやDoubles、Relayなど複数のカテゴリーが用意されているため、自分の体力や経験、参加スタイルに合わせて挑戦できます。

ただし、「初心者でも参加できる」ことと「ほとんど準備せずに完走できる」ことは別です。

HYROXではランニングとワークアウトを交互に繰り返すため、一般的な筋トレやランニングとは異なる疲労が蓄積します。初挑戦するなら、筋力・持久力・心肺機能をバランスよく準備しておきましょう。

筋トレ経験だけではなく持久力も重要

普段からスポーツジムへ通い、筋トレをしている人ほど注意したいのが「筋力がある=HYROXでも有利とは限らない」という点です。

もちろん、Sled PushやSled Pull、Farmers Carry、Sandbag Lungesなどでは筋力が大きな武器になります。

しかしHYROXでは、そのワークアウトの前後に1kmのランニングが入ります。合計すると8kmです。

たとえば普段のトレーニングで高重量のスクワットができても、1kmを走った直後にスレッドを押し、さらにもう1km走るとなれば話は変わってきます。

筋力だけでなく、疲労した状態でも動き続けられる筋持久力と心肺能力が必要になるからです。

逆に考えると、HYROXへの挑戦は「筋トレだけでは分からなかった自分の体力」を確認する機会にもなります。

ランニングが苦手な人が注意したいポイント

筋トレを中心に運動してきた人がHYROXに挑戦する場合、ひとつの大きな課題になりやすいのがランニングです。

HYROXでは1kmを8回走ります。「1kmなら走れる」と考えがちですが、重要なのは1kmを1回だけ速く走る能力ではありません。

ワークアウトによる疲労を挟みながら、それでも1kmのランニングを繰り返せる能力が求められます。

初心者が最初からスピードを追求すると、前半で心拍数が上がりすぎ、後半のワークアウトやランニングで大幅にペースダウンすることがあります。

まずは速さよりも、無理なく走り続けられる基礎的な持久力を作ることを優先しましょう。

普段ほとんど走っていない人なら、いきなり8kmを目標にする必要はありません。ウォーキングと軽いジョギングを組み合わせ、徐々に走れる時間や距離を増やしていく方法でも構いません。

特に体重が重い人やランニング習慣がない人は、急激に走行距離を増やすと膝や足首などへの負担が大きくなります。自分の運動歴に合わせて段階的に負荷を上げてください。

初心者は「重いものを持った後に走る」感覚に慣れよう

HYROX対策で通常のランニング練習と大きく違うのが、ワークアウト直後のランニングです。

スクワットやランジなどで脚に負荷をかけた直後に走ってみると、何もしていない状態とは脚の感覚が大きく違うことに気づくでしょう。

脚が重く感じたり、思ったようにストライドが伸びなかったり、心拍数がなかなか下がらなかったりします。

そこでHYROXのトレーニングでは、単純に「今日はランニング」「今日は筋トレ」と完全に分離するだけでなく、慣れてきた段階で両方を組み合わせる練習も取り入れます。

初心者向けの簡単な例

  1. トレッドミルで1kmを無理のないペースで走る
  2. 自重スクワットを15~20回
  3. ウォーキングランジを左右10回程度
  4. 再びトレッドミルで1km走る

まずはこの程度から始め、「脚を使った直後に走る感覚」を経験してみましょう。

本番と同じ負荷をいきなり再現する必要はありません。初心者の場合は、身体が複合的な運動に慣れてから徐々に負荷を高めることが重要です。

完走を目指すために必要な基礎体力とは

HYROXを完走するために「スクワット○kgが必要」「10kmを○分以内で走れなければならない」といった、すべての初心者に共通する単純な基準があるわけではありません。

年齢や性別、カテゴリー、運動経験によって体力は異なるためです。

初挑戦に向けては、次のような能力をバランスよく高めていくことを意識しましょう。

  • 一定時間走り続けられる基礎持久力
  • スクワットやランジを繰り返せる下半身の筋持久力
  • 重いものを押す・引く・持つための全身の筋力
  • 運動中に心拍数が上がっても動き続けられる心肺能力
  • 疲労してもフォームを大きく崩さない体幹の安定性

つまりHYROXでは、ひとつの能力だけを突出させるより、「走れる・持てる・押せる・引ける・動き続けられる」身体を総合的に作ることが重要です。

HYROXに向けたトレーニング方法

HYROXへの出場を決めたら、競技内容に合わせたトレーニングを始めましょう。

重要なのは、8種目だけを練習すればよいわけではないということです。

HYROXではランニングが競技全体に繰り返し登場するため、ランニング能力・筋力・筋持久力・心肺能力を組み合わせて鍛える必要があります。

まずは8kmを走るためのランニング能力を高める

HYROX対策というとSled PushやWall Ballsなど特徴的なワークアウトに目が向きがちですが、忘れてはいけないのがランニングです。

レースでは合計8kmを走ります。

そのためランニング習慣がない人は、まず基礎的な走力作りから始めましょう。

初心者であれば、最初から速いペースで8kmを走る必要はありません。まずは20~30分程度の軽いジョギングから始め、身体が慣れてきたら徐々に時間や距離を延ばしていきます。

ある程度走れるようになったら、一定ペースで走る練習だけでなく、1km単位でペースを変える練習などを取り入れると、HYROXの競技形式を意識しやすくなります。

なお、ランニング量を急激に増やすと脚への負担も増えます。特に筋トレ中心だった人は、走行距離を段階的に増やしてください。

スクワット・ランジで下半身を強化する

HYROXでは下半身を使う場面が非常に多くあります。

Sled Push、Burpee Broad Jump、Sandbag Lunges、Wall Ballsはもちろん、8kmのランニングそのものでも脚を使い続けます。

そのため、スクワットやランジはHYROXに向けた基礎トレーニングとして取り入れやすい種目です。

  • スクワット
  • ゴブレットスクワット
  • ウォーキングランジ
  • リバースランジ
  • ブルガリアンスクワット

最大重量だけを追うのではなく、HYROX対策ではある程度の回数をフォームを保って繰り返せる筋持久力も意識しましょう。

特にランジはSandbag Lungesへ、スクワット動作はWall Ballsへとつながるため、正しいフォームを身につけることが重要です。

デッドリフトやキャリー系種目で全身を鍛える

HYROXでは「重いものを扱いながら身体を安定させる能力」も必要です。

その基礎作りとして活用しやすいのが、デッドリフトやファーマーズキャリーです。

デッドリフトでは下半身・臀部・背中など身体の後面を中心に鍛えられ、重いものを床から扱う基本動作を身につけることができます。

ファーマーズキャリーではダンベルやケトルベルを左右に持って歩くため、HYROXのFarmers Carryに近い動作を練習できます。

握力だけで耐えようとせず、胸を張り、体幹を安定させながら歩くことを意識してください。

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心肺機能を高めるインターバルトレーニング

HYROXでは心拍数が高くなった状態でも次の種目へ移動し、運動を続けなければなりません。

そこで、ある程度の基礎体力がついてきたらインターバルトレーニングを取り入れる方法があります。

たとえばトレッドミルなら、速めに走る時間とゆっくり走る時間を交互に設定します。

例:ランニングに慣れてきた人向け

  • ウォーミングアップ:5~10分
  • やや速いペース:1~2分
  • ゆっくりしたジョギング:1~2分
  • 上記を数セット繰り返す
  • クールダウン:5~10分

設定する速度や本数は運動経験によって異なります。初心者は「追い込み切る」ことを目的にせず、余裕を残したところから始めましょう。

ランニングと筋トレを組み合わせたHYROX対策

HYROXらしいトレーニングにするなら、最終的にはランニングと筋力系種目を組み合わせます。

たとえば、次のような簡易サーキットが考えられます。

  1. 1kmランニング
  2. ローイング
  3. 1kmランニング
  4. ファーマーズキャリー
  5. 1kmランニング
  6. ウォーキングランジ

最初から本番と同じ8km+8種目を行う必要はありません。

まず2~3セット程度から始め、体力が向上するにつれて距離や種目数を増やしていきましょう。

このようなトレーニングを行うことで、単独のランニングや筋トレでは分かりにくい「疲労した状態で次の運動へ切り替える能力」を確認できます。

普通のスポーツジムでもHYROXのトレーニングはできる?

HYROXに興味を持った人が気になるのが、「専用のHYROXジムへ行かなければ練習できないのか?」という点ではないでしょうか。

すべての競技環境を再現するには専用設備が必要ですが、基礎的なHYROX対策であれば一般的なスポーツジムでも十分に取り組めます。

むしろ初心者の場合、まず一般的なジムでランニング能力・筋力・心肺能力の土台を作り、その後に本番特有の動作へ慣れていく方法も考えられます。

一般的なジムで練習できるHYROX種目

設備は施設によって異なりますが、一般的なスポーツジムでもHYROXにつながるトレーニングは数多くあります。

HYROXで必要な能力ジムで行いやすいトレーニング
ランニングトレッドミル
ローイングローイングマシン(設置施設の場合)
下半身の筋力スクワット・レッグプレス
ランジ動作ダンベルランジ・ウォーキングランジ
キャリー能力ダンベル/ケトルベルでのファーマーズキャリー
全身の筋力デッドリフト
心肺能力バイク・トレッドミル・ローイング

「HYROXの設備がないから練習できない」と考えるのではなく、その種目では何の能力が求められるのかを考えると、一般的なジムでも代替トレーニングを組みやすくなります。

スレッドなど専用設備がない場合の代替トレーニング

一般的なスポーツジムで特に再現しにくいのがSled PushとSled Pullです。

スレッド設備がない場合、本番とまったく同じ動作を再現することはできません。しかし、必要となる脚力や背中、体幹などを個別に鍛えることはできます。

  • Sled Push対策:スクワット、レッグプレス、ランジなど
  • Sled Pull対策:ローイング系筋トレ、ラットプルダウン、ケーブル系プル動作など
  • Farmers Carry対策:ダンベルやケトルベルを持った歩行
  • Sandbag Lunges対策:ダンベルやプレートなどを使ったランジ

ただし、これらはあくまで必要な筋力などを補うためのトレーニングです。代替種目を行えば本番のスレッド操作そのものを習得できるわけではありません。

大会が近づいたら、可能であればHYROX特有の設備を備えた施設やトレーニング環境を利用し、実際の動作を経験しておくとよいでしょう。

トレッドミルと筋トレを組み合わせた実践メニュー

一般的なスポーツジムでHYROXらしいトレーニングをするなら、トレッドミルと筋トレを交互に行う方法が取り入れやすいでしょう。

たとえば、初心者なら次のようなメニューから始められます。

順番内容
1トレッドミル 1km
2ゴブレットスクワット 15回
3トレッドミル 1km
4ファーマーズキャリー
5トレッドミル 1km
6ウォーキングランジ 左右10回程度

重要なのは、最初から高重量・高速・長距離のすべてを求めないことです。

まずは正しいフォームで最後まで動ける強度に設定し、慣れてきたらランニング速度、重量、距離、セット数などのいずれかを少しずつ調整します。

また、スポーツジムではトレッドミルやフリーウエイトエリアを長時間連続して占有したり、器具を持ったまま別エリアへ移動したりすることが禁止されている場合があります。

HYROX形式を再現することを優先して施設の利用ルールを無視してはいけません。器具の利用方法やエリア移動については各スポーツジムのルールを確認し、周囲の利用者にも配慮してトレーニングしましょう。

施設の環境上、ランニングと筋トレを連続して行えない場合は、無理に再現せず、ランニングの日と筋力トレーニングの日を分けても構いません。基礎体力を高めること自体がHYROXへの重要な準備になります。

HYROX初心者向け1週間トレーニングメニュー

HYROXに挑戦してみたいと思っても、「ランニングも筋トレも必要なら、1週間でどう組み合わせればいいの?」と迷う人もいるでしょう。

HYROXでは、ランニング能力だけ、あるいは筋力だけを高めるのではなく、走力・筋力・筋持久力・心肺能力をバランスよく鍛えることが重要です。

一方で、毎日ハードなトレーニングをすればよいわけではありません。疲労した身体では十分なパフォーマンスを発揮できないだけでなく、フォームが崩れてケガにつながる可能性もあります。

ここでは、普段からある程度運動している人がHYROXへの挑戦を目指す場合の一例として、1週間のトレーニングイメージを紹介します。

曜日トレーニング例目的
月軽めのランニング基礎持久力
火下半身+体幹トレーニング脚力・身体の安定性
水休養または軽い有酸素運動疲労回復
木インターバル系ランニング心肺能力・走力
金全身の筋力トレーニング押す・引く・持つ能力
土ラン+ワークアウトの複合練習HYROXへの実践的な対応
日休養疲労回復

これはあくまで一例です。運動経験、年齢、仕事や生活リズム、大会までの期間などによって適切なトレーニング量は変わります。

ランニング初心者であれば走る日を減らしてウォーキングを組み合わせてもよいですし、すでにランニング習慣がある人なら筋力トレーニングや複合練習を重点的に行うなど、自分の弱点に合わせて調整しましょう。

ランニング・筋力・休養をバランスよく組み合わせる

HYROX対策で陥りやすいのが、「走らなければ」「筋トレもしなければ」と考え、トレーニング量を一気に増やしてしまうことです。

特に、これまで筋トレを中心にしてきた人が急にランニングを増やしたり、ランナーが高負荷の筋力トレーニングを大量に追加したりすると、身体への負担が急激に大きくなります。

そこで重要になるのが「鍛える日」と「回復する日」をセットで考えることです。

たとえば下半身を強く追い込んだ翌日に、いきなり高強度のランニングを行えば、脚に疲労が残ったままトレーニングすることになります。

もちろんHYROXでは疲労した状態で走る能力も必要ですが、毎回のトレーニングをその状態で行う必要はありません。

基礎的なランニング能力を伸ばす日、筋力を高める日、HYROXを想定して両者を組み合わせる日を分けることで、目的を明確にできます。

そして、休養もトレーニング計画の一部です。疲労感が強い場合には予定通りのメニューをこなすことにこだわらず、強度を下げたり休養へ変更したりする判断も必要です。

大会直前にトレーニング量を増やしすぎない

大会が近づくと、「まだ走り込みが足りない」「スレッドの練習をもっとしなければ」と不安になり、トレーニング量を増やしたくなるかもしれません。

しかし、直前に急激なトレーニングを行っても、それによって体力が一気に向上するわけではありません。

むしろ強い筋肉痛や疲労が残り、本番で本来の力を発揮できなくなる可能性があります。

大会が近づいてきたら、それまで積み重ねてきたトレーニングを確認しながら、コンディションを整えることも意識しましょう。

特にHYROXではランニングだけでなく、下半身や背中、肩、腕など全身を使います。大会直前に高重量のトレーニングで強い筋肉痛を残すことは避けたいところです。

「直前にどれだけ追い込めるか」ではなく、「本番にどのような状態でスタートラインへ立てるか」という視点で調整しましょう。

記録を残してランニングと筋力の弱点を把握する

HYROXのトレーニングでは、単に「今日は頑張った」という感覚だけでなく、記録を残しておくことも役立ちます。

たとえば、次のような項目を記録してみましょう。

  • ランニングの距離とタイム
  • 1kmあたりのおおよそのペース
  • 筋力トレーニングの重量と回数
  • ファーマーズキャリーで扱った重量や距離
  • ランジやスクワットの回数
  • 複合トレーニングでどこから苦しくなったか
  • その日の疲労感や体調

記録を続けると、「筋トレは伸びているのにランニングペースが上がらない」「最初は速いが後半になると大きく失速する」「握力が先に限界になる」といった自分の特徴が見えやすくなります。

HYROXは複数の能力を使う競技だからこそ、得意な能力をさらに伸ばすだけでなく、レース全体のボトルネックになっている部分を見つけることが重要です。

また、体重や体脂肪率、筋肉量などを継続的に記録しておけば、トレーニング期間中の身体の変化を客観的に確認する材料にもなります。

フィットビギンでは、体重・体脂肪率・筋肉量などを記録して変化の傾向を確認できるBody Trackerも利用できます。HYROXに向けたトレーニングとあわせて、自分の身体の変化を継続的に確認したい場合に活用してみてください。

ボディトラッカー
フィットビギン ボディトラッカーは、体重・BMI・体脂肪率・筋肉量・基礎代謝などの体組成データを記録・管理できる無料の体組成トラッカーです。グラフで体の変化を確認しながら、ダイエットや筋トレ、日々の健康管理に役立てられます。

HYROXに適したシューズやウェアの選び方

HYROXに挑戦するなら、トレーニング内容だけでなくシューズ選びも重要です。

HYROXは合計8kmを走るため、ランニング性能を無視することはできません。その一方で、Sled PushやSled Pull、Burpee Broad Jump、Farmers Carry、Sandbag Lungesなど、ランニングシューズだけを想定した競技ではない動作も行います。

つまり、HYROX用シューズには「走りやすさ」と「ワークアウト時の安定性」の両立が求められます。

ランニング性能と安定性のバランスが重要

HYROXでは1kmのランニングを8回行うため、シューズが走りにくければレース全体へ影響します。

だからといって、「普段のランニングで一番速く走れるシューズなら何でもよい」とは限りません。

ランニングの間には、スレッドを押す・引く、バーピーから前方へジャンプする、重いものを持って歩く、サンドバッグを担いでランジをするといった動作があります。

そのため、シューズを選ぶ際には次のポイントを確認してみましょう。

  • 8kmのランニングを想定して走りやすいか
  • 着地したときに足元が不安定になりすぎないか
  • 前後・左右へ力を加えたときに足がシューズ内部で動きすぎないか
  • アウトソールが競技中の動作に対応しやすいか
  • 自分の足型に合っているか
  • 長時間履いても痛みや強い違和感が出ないか

ランニング性能と安定性のどちらを重視するかは、参加者の走力や体格、得意・不得意によっても変わります。

たとえばランニングを得意としていても、ワークアウト中に足元が不安定になるシューズでは力を発揮しにくい場合があります。反対に、安定性を重視しすぎて走りにくいシューズを選べば、合計8kmのランニングが負担になる可能性があります。

「ランニングシューズかトレーニングシューズか」という二択ではなく、HYROX全体を通して自分が使いやすいかという視点で選ぶことが大切です。

スレッドプッシュ・プルで滑りにくいシューズを選ぶ

HYROXのシューズ選びで特に意識したいのが、Sled PushやSled Pullです。

スレッドを動かす際には、身体で大きな力を生み出すだけでなく、その力を足元から床へ伝える必要があります。

ところが、シューズと床との間で十分なグリップを得られなければ、足が滑って力をうまく伝えられない場合があります。

そのため、HYROXで使用するシューズではアウトソールのグリップ性能も確認しておきたいポイントです。

ただし、「グリップが強ければ強いほどよい」と単純に考えるのも適切ではありません。前述したとおりHYROXでは合計8kmを走るため、ランニング時の快適性とのバランスが重要だからです。

大会用シューズを購入したら、できれば本番で初めて履くのではなく、事前のトレーニングで使用感を確認しておきましょう。

ランニングだけでなく、スクワット、ランジ、バーピーなども試しておくと、ワークアウト中の安定感やフィット感も確認できます。

また、大会会場の床面や競技規定などは開催時の公式情報を確認してください。

大量に汗をかくことを想定したウェア選び

HYROXではランニングとワークアウトを連続して行うため、ウェアについても動きやすさを重視しましょう。

特に意識したいのは、汗をかいた状態でも動作を妨げにくいことです。

  • 吸汗速乾性のある素材
  • ランニング時に擦れにくいサイズ感
  • スクワットやランジで動きを妨げない伸縮性
  • 汗を含んでも重くなりにくいウェア
  • 長時間着用しても気になる部分が少ないもの

見落としやすいのが、ランニングでは問題なくても、スクワットやランジをすると裾やウエスト周りが気になるケースです。

HYROXでは走るだけでなく、しゃがむ、跳ぶ、引く、持つといった多様な動作を行います。

大会用ウェアは事前にトレーニングで着用し、ランニングと筋力系動作の両方で問題がないか確認しておくと安心です。

シューズもウェアも、レース直前に新しいものへ変更するより、普段のトレーニングで使用してフィット感や動きやすさを把握したものを本番で使用するほうが、予期せぬ違和感を減らしやすくなります。

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日本でもHYROXに参加できる?大会・参加方法を確認

世界各地で開催されているHYROXですが、日本でも大会が開催されています。

「海外まで行かなければ参加できない競技」というわけではなく、日本国内でHYROXへ挑戦する機会があります。

HYROX Japan公式サイトでは、日本で開催される大会の開催日程や会場、チケットなどの最新情報が案内されています。参加を考えている人は、まず公式サイトで最新の開催予定を確認してみましょう。

HYROX:すべての人のためのフィットネス競技
2023年には世界中で40以上のレースが開催され、90,000人を超えるアスリートと50,000人の観客が参加。ようこそ、ワールドシリーズ・オブ・フィットネスレーシングへ。

日本で開催されるHYROX大会について

HYROXは日本でも大会が展開されており、これから国内でHYROXを始めたい人にとって参加しやすい環境が広がっています。

2026年9月28日時点でHYROX Japan公式サイトに掲載されている今後の国内大会には、2027年1月21日~25日の「BYD HYROX 大阪」があります。会場はインテックス大阪です。

さらに、2027年4月16日~18日にはHYROX 名古屋も予定されています。

国内で複数都市へ大会が展開されれば、「HYROXに興味はあるものの、遠征のハードルが高い」と感じていた人にとっても挑戦するきっかけが増えていくでしょう。

ただし、HYROXの開催日程・会場・カテゴリー・チケット販売状況などは変更される可能性があります。この記事に記載された日程だけで判断せず、参加を検討する際には必ずHYROX Japan公式サイトの最新情報を確認してください。

大会へのエントリー方法と参加までの流れ

HYROXへ参加する場合は、HYROX公式サイトから希望する大会を選び、オンラインで登録します。

大まかな流れは次のようになります。

  1. HYROX公式サイトで開催レースを確認する
  2. 参加したい大会を選択する
  3. Open・Pro・Doubles・Relayなど参加カテゴリーを確認する
  4. チケットの内容や参加条件を確認する
  5. 必要事項を入力してオンラインで登録する
  6. 大会に向けてトレーニングを進める
  7. レース前にスタート時間や大会案内、最新ルールを確認する
  8. 大会当日にチェックインしてレースへ参加する

HYROX Japan公式FAQでは、アスリートのオンライン登録は原則として大会週の水曜日18時まで、または定員に達した時点で締め切られると案内されています。

当日登録が可能な場合もありますが、希望カテゴリーに空きがあるとは限りません。出場したい大会が決まっている場合は、チケット販売状況を早めに確認しておくとよいでしょう。

また、チケットにはFlex Add-OnやFlex Liteなどが設定される場合があります。2026/27シーズンでは、チケット購入後の他イベントへの振替やカテゴリー変更はできないと公式に案内されています。

「OpenとProのどちらにするか」「SinglesとDoublesのどちらで出るか」などは、購入前に十分確認しておきましょう。

なお、参加条件についても必ず確認が必要です。現行の公式参加規約では、HYROXイベントへアスリートとして参加するには競技当日に16歳以上であることなどが定められています。

HYROX:すべての人のためのフィットネス競技
2023年には世界中で40以上のレースが開催され、90,000人を超えるアスリートと50,000人の観客が参加。ようこそ、ワールドシリーズ・オブ・フィットネスレーシングへ。

参加前に公式サイトで最新ルールを確認しよう

HYROXでは、ただワークアウトを完了すればよいわけではありません。

各種目には競技ルールが設定されており、会場ではジャッジが競技基準に沿って動作を確認します。

トレーニングでは自己流で問題なくできていると思っていても、本番では規定された動作基準を満たす必要があります。

せっかく体力をつけても、ルールを理解していなければ本来のパフォーマンスを発揮しにくくなります。

特に確認しておきたいのは、次のような項目です。

  • 自分が出場するカテゴリー
  • 各ワークアウトの重量・距離・回数
  • 各種目の正しい動作基準
  • スタート時間
  • チェックイン方法
  • 大会当日の持ち物や注意事項
  • 会場へのアクセス

また、個人の正確なスタート時間など、大会が近づいてから公開される情報もあります。

数か月前に一度確認したから大丈夫と考えず、レースが近づいたら公式サイトをもう一度確認するようにしましょう。

HYROX初心者が大会前に知っておきたいポイント

十分にトレーニングしていても、初めてのHYROXでは大会特有の雰囲気によって普段とは違うペースになってしまうことがあります。

特に初心者が意識したいのは、「前半で頑張りすぎないこと」です。

HYROXは1kmランとワークアウトを8回繰り返す競技です。最初の数kmだけ調子がよくても、後半まで動き続けられなければレース全体では苦しくなります。

最初からタイムを狙いすぎずペース配分を意識する

大会当日は周囲にも参加者がいるため、スタートすると普段より速いペースになってしまうことがあります。

しかし、HYROXは最初の1kmで終わる競技ではありません。

1km走ったあとにはSkiErgがあり、その後にまた1kmを走り、Sled Push、さらに1km、Sled Pull……とレースが続いていきます。

特に初参加の場合は、序盤から自己ベスト級のランニングペースで飛ばすより、「最後のWall Ballsまで動き続けられるか」という視点でペースを考えたほうがよいでしょう。

また、得意種目だからといって一気にペースを上げると、その直後のランニングで失速する可能性があります。

ひとつの種目だけでタイムを稼ぐのではなく、レース全体を通したペース配分を意識することが大切です。

ランニングだけ・筋トレだけに偏らない

HYROXに向けた準備で注意したいのが、自分の得意分野ばかりトレーニングしてしまうことです。

ランニングが好きな人は走る練習を増やしやすく、筋トレが好きな人はウエイトトレーニングを優先しがちです。

しかしHYROXでは、その両方が必要になります。

タイプ活かしやすい能力意識したい課題
ランニングが得意8回のラン区間筋力・筋持久力・ワークアウト技術
筋トレが得意スレッド・キャリー・ランジなど走力・心肺能力
どちらも初心者伸びしろが大きい基礎体力から段階的に強化

自分の得意分野を把握することは大切ですが、HYROX対策では「何が得意か」以上に「どこで大きく失速するか」を見つけることが重要です。

たとえばランニングでは周囲についていけても、Sled Pushで大きく時間がかかるのであれば、そこが改善すべきポイントになります。

反対にワークアウトを余裕を持ってこなせても、ランニングのたびにペースが大きく落ちるのであれば、持久力を重点的に強化する必要があるでしょう。

本番と同じ競技順でシミュレーションしてみる

大会が近づいてきたら、一度はHYROXの競技順を意識したトレーニングを経験しておくと、本番のイメージをつかみやすくなります。

可能であれば、本番と同じように「ランニング→ワークアウト→ランニング」という流れで練習してみましょう。

すべてを完全に再現できなくても構いません。

たとえばスレッド設備がない場合は、これまで紹介した代替トレーニングを使いながら、種目の順番とランニングを組み合わせます。

実際に行ってみると、単独のトレーニングでは分からなかったことが見えてきます。

  • Sled Push後は思った以上に脚が重くなる
  • Burpee Broad Jump後は心拍数が上がりやすい
  • Farmers Carryで握力を使ったあとも競技は続く
  • Sandbag Lunges後の最後のランニングが苦しい
  • Wall Ballsまで体力を残す必要がある

こうした感覚を事前に経験しておけば、「前半は少し抑えよう」「この種目では呼吸を整えよう」といった自分なりのレース戦略を考えられます。

ただし、大会直前に初めてフルボリュームのシミュレーションを行うのは避けましょう。強い疲労や筋肉痛を残す可能性があるため、本番から逆算して余裕のある時期に行うことが大切です。

まとめ|HYROXは走力と筋力の両方を試せるフィットネスレース

HYROX(ハイロックス)は、1kmのランニングと1つのワークアウトを交互に8回繰り返すフィットネスレースです。

合計8kmのランニングに加え、SkiErg、Sled Push、Sled Pull、Burpee Broad Jump、Rowing、Farmers Carry、Sandbag Lunges、Wall Ballsという8つのワークアウトに挑戦します。

そのため、ランニングが速ければそれだけで十分というわけでも、高重量を扱える筋力があれば十分というわけでもありません。

HYROXで求められるのは、走力・筋力・筋持久力・心肺能力、そして疲労した状態でも動き続ける総合的なフィットネス能力です。

一見するとハードルが高く感じられるかもしれませんが、OpenだけでなくDoublesやRelayなど複数の参加方法があります。初めての人でも、自分の体力や目標に合わせて挑戦方法を考えることができます。

そして、HYROXを始めるために必ずしも最初から専用設備がすべて揃っている必要はありません。

一般的なスポーツジムでも、トレッドミル、スクワット、ランジ、デッドリフト、ローイング、ファーマーズキャリーなどを組み合わせることで、HYROXにつながる基礎体力を鍛えることができます。

まずは自分の現在の体力を確認し、「走るのが苦手なのか」「筋力が不足しているのか」「疲労すると急激にペースが落ちるのか」を把握するところから始めてみましょう。

HYROXという明確な目標ができることで、これまで何となく続けていたランニングや筋トレにも、新しい目的が生まれるかもしれません。

「筋トレの成果を試してみたい」「ランニングだけではない新しい競技に挑戦したい」「スポーツジムで鍛えた体力を実戦で試してみたい」という人は、HYROXへの挑戦を次のトレーニング目標のひとつとして検討してみてはいかがでしょうか。

大会へ参加するときは、開催日程、カテゴリー、競技規定、重量、スタート時間などについて、必ずHYROX Japan公式サイトの最新情報を確認したうえで準備を進めましょう。

HYROX:すべての人のためのフィットネス競技
2023年には世界中で40以上のレースが開催され、90,000人を超えるアスリートと50,000人の観客が参加。ようこそ、ワールドシリーズ・オブ・フィットネスレーシングへ。

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